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&size(36){''☆ 為政第二 二章''}; &size(32){''☆ 為政第二 二章''}; #br '' 子曰 詩三百 一言以蔽之 曰思無邪'' #br 子曰く。詩(し)三百、一言(いちげん)以て之を蔽(おほ)へば、曰く、思ひ邪(よこしま)無し。 #br ''☆意訳'' ''☆ 意訳 (心理屋の勝手解釈)'' 先生が言われました。 詩経の三百余りの詩には、総てに共通して言える、とても大切なことがあります。それは、人間が本来有(も)っっている素直な心の世界がそのまま純粋に表現されていて、実に清らかで美しい、ということです。一言(ひとこと)で言うならば、「思ひ邪(よこしま)無し」ということです。私利私欲にまみれて歪(ひづ)んだ心も、悪意、邪念、邪推といった類(たぐい)の心も全くありません。 #br ''☆心理屋の勝手解釈'' ''☆ 補足の独言'' 詩も音楽も、心の動きや、様々な感情やその変化を素直(すなお)に表現したものです。そこには詩や音楽を歌った人の心の世界、心情が現れています。詩経は、国民の生活の実情を知るために、国が採集した詩集です。現実に生活している人々の素朴な心の世界がそのまま表現されています。感性の桁外れに豊かな孔子にとっては、たまらなく美しい世界だったのでしょうね。 これを万葉集(まんにょうしゅう)に置き換(か)えてみると、「詩四千、一言(いちげん)以て之を蔽(おほ)へば、曰く、思ひ邪(よこしま)無し」と全く同じことが言えると思います。詩経と万葉集とには「思ひ邪無し」という言葉がぴったりに思えます。古今和歌集や新古今和歌集になると如何(どう)なのでしょうか。邪な思いが無いことは疑いもないですが、素朴な心は薄らいできているように思われます。技巧的な美しさ、耳触(みみざわ)りの良さ、想像力の豊かさといったようなものが勝(まさ)ってきて、苦しい実生活の中なればこその悲喜交々(ひきこもごも)の素朴な感情世界ではなくなってきているように思います。孔子が好きだったのは、生きる人々の生(なま)の息遣(いきづか)いだったのではないでしょうか。 #br CENTER:[[前>2 為政第二 1]] [[次>2 為政第二 3]] #br