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''&size(36){☆ 里仁第四 十章};'' #br '' 子曰 君子之於天下也 無適也 無莫也 義之與比'' #br 子曰く、君子の天下に於けるや、適(てき)も無く、莫(ばく)も無く、義(ぎ)と之(これ)与(とも)に比(ひ)す。 #br ''☆ 意訳 (心理屋の勝手解釈)'' 先生が言われました。 私達は総(すべ)て天(あめ)の下(もと)に生活しています。その総てがしあわせに暮らせるように尽力(じんりょく)するのが政(まつりごと)です。ですから、天下(てんか)の政を司(つかさど)る人は、心の大きな人、君子でなければなりません。 君子は天の下の総てを観るために、決して自分の好みを持ち込むことはしません。また、自分に合わない者を排斥(はいせき)する、ということを決してしません。自分の好みで判断するということは、心の小さいことの証(あかし)になります。 君子は常に正義と共にあるのです。正義は客観です。客観でなければなりません。主観の正義は、思い込みで悪になっても非常に気付き悪(にく)いものです。それ故に、とても恐ろしいものです。 主観というのは視野の狭い小さな心のことであり、これを小人(しょうじん)と言います。客観というのは視野の広い大きな心のことを言います。これが君子ですね。 君子は何時でも正義と共にあって、義と親しく交わり義に従っているのです。正義と共にあるというのは、大きな心でそれぞれを叮嚀に観て、常に義に照らし合わせて多角的に観て、深く理解をするということです。 #br ''☆ 補足の独言'' これは訴訟や事件に対する裁判官としての、公正な判断をするための心得なのかな、という感じがしますが、人物を観る目としての最も基本になる心得でもある、と思います。 「比」という言葉は論語では良い意味にも悪い意味にも使われていますが、ここでは「(善いものに)従う」とか「親しむ」という良い意味で用いられているように思われます。 #br CENTER:[[前>4 里仁第四 9]] [[次>4 里仁第四 11]]