2 為政第二 14

Last-modified: Tue, 08 Jun 2021 11:10:18 JST (1060d)
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☆ 為政第二 十四章

 

 子曰 君子周而不比 小人比而不周

 

 子曰く。君子は周(しう)して比(ひ)せず。小人(せうじん)は比して周せず。

 

☆ 意訳 (心理屋の勝手解釈)

 先生が言われました。

 立派な人(心の大きく広い人)は、誰彼(だれかれ)と分け隔(へだ)てすることなく、皆と親しみ大切にして、損得(そんとく)や好き嫌いで連(つる)んで排他的(はいたてき)になるようなことは決してしません。反対に、心の小さな人は、損得や好き嫌いで排他的に連むだけで、誰に対しても同じように親しみ付き合う、というようなことはとてもできないものです。

 

☆ 補足の独言

 「周(しゅう)」と「比(ひ)」は、共に「親しむ」という意味の字だそうです。それを孔子はこの二つの文字のニュアンスの違いを捉(とら)えて、正反対の意味に使っています。「周」は、広く遍(あまね)く親しく仲良くすること、「比」は、気に入った者だけの偏(かたよ)りを持って徒党を組んだ排他的な仲間、という感じのようです。

 君子は広い心なので「周(あまねし)」。小人(しょうじん)は狭い心なので少人数で馴れ合う「比(ひ)」。この使い分けはとても納得(なっとく)がいくと同時に、難(むつか)しいなあ、と頭を抱えます。

 遍く親しく仲良くしたい、という強い願いを持ちながらも、一寸(ちょっと)喧嘩をしただけで、その相手を拒否する気持が起こってしまう自分の心の狭さ。修業が足りませんなあ、と熟々(つくづく)思う、日々の私です。