7 述而第七 19

Last-modified: Mon, 20 Nov 2023 19:56:08 JST (165d)
Top > 7 述而第七 19

☆ 述而第七 十九章

 

 子曰 我非生而知之者 好古 敏以求之者也

 

 子(し)曰(いは)く、我(われ)は生(うま)れながらにして之(これ)を知(し)る者(もの)に非(あら)ず。古(いにしへ)を好(この)み、敏(びん)にして以(もっ)て之(これ)を求(もと)めたる者なり。

 

☆ 意訳 (心理屋の勝手解釈)

 先生が言われました。

 私のことを、生まれつき何でも知っていて、強(し)いて学ばなくてもできないことはない、と思っている人がいるようですが、それはとんでもない誤解です。私も若い頃、幼い頃は誰とも同じで、何も知りませんでした。唯私は昔のことが大好きでした。古(いにしえ)の聖人や偉人、英雄達が、何を考え如何(どう)行動していたのか、というようなことに物凄く興味があり、凄い勢いで貪欲に勉強しまくったものです。それが何よりも楽しかったですね。古典を学ぶことによって、自分が如何生きていけば善いのか、ということを考えることができるのです。喜びを持って貪欲に学び続けること、これが今の私をつくっているのです。

 

☆ 補足の独言

 偉大な人は生まれつき偉大なのだ、という思いは、誰もが懐(いだ)く自然な思いでしょう。しかしその思いは、自分が努力しなくても良いという、逃げの口実になっています。生まれつきなのだから仕方無いではないか、という怠惰な心、孔子はそれを戒(いまし)めたかったのではないでしょうか。