4 里仁第四 4

Last-modified: Wed, 25 Aug 2021 11:35:11 JST (982d)
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☆ 里仁第四 四章

 

 子曰 苟志於仁矣 無惡也

 

 子曰く、苟(いやし)くも仁(じん)に志(こころざ)せば、悪(あく)無きなり。

 

☆ 意訳 (心理屋の勝手解釈)

 先生が言われました。

 他人(ひと)を悪く思ったり言ったりすることは、仁者にしかできないことだ、と以前も言いましたね(前章里仁第四、三章)。もし貴方が本心から仁を身につけたいと強く願っているのでしたら、人を悪く思う心を起こさないように、ということを一番に心掛けることです。

 貴方が本当に仁者になりたい、という志を確(しっか)りと有(も)っているならば、それは心が善の方向性を有(も)つことになります。そうすると反対の方向性を有った、憎しみや怒りや恨みといった悪の心は起き悪(にく)くなりますね。自分の心が望ましい人格に向けて必然的に動いてくれるのです。

 また仁の善意が相手の中に、こちらに対する好意の感情を生じさせますので、災難や災いにも遭(あ)い悪くなります。

 そして当然のことですが、私(孔子)は仁を志すような人を決して悪くは思いません。私の最も望むところなのですから。仁という目標は遙か彼方であっても、その千里の道程(みちのり)を目指せば、それだけでもう第一歩の歩みからして既に成果は出てくるのです。安心して希望を持って、仁への道を励(はげ)んでください。

 

☆ 補足の独言

 この章も様々な解釈があって、孰れが正しいのか解りませんが、私は「勝手解釈」の最初の段落のように理解しました。しかし、他の解釈も孔子の心に沿ったものであると思えますので、それらも皆入れて話の続きとしてみました。